東日本大震災
東日本大震災に伴う支援活動の実績
1.調査の目的
千年に一度の規模といわれる「東日本大震災」により、未曾有の甚大な被害が発生しました。
東北6県に本店を有する46社で構成された、東北測量設計協会会員においても自ら被災された会社もある中、災害復旧のための事前調査並びに、災害査定業務等、さらには被災地での様々なボランティア活動等、休日を返上し昼夜を問わず復旧・復興のために活動を続けています。しかしながら、それらの活動実績については、地域や国民の皆様に知っていただく機会が無いというのが、実情であります。
一方、地域建設業については大震災に伴うボランティア活動を始めとした復旧活動が大きく報道され、6月には国土交通省の「建設産業戦略会議」において、地域社会の維持を担う企業の確保が必要との見解から、地域建設業が存続できる環境整備のための課題と対策が盛り込まれた答申が、国土交通大臣に手渡されたところであります。
当協会としては東日本大震災時における会員の様々な活動状況についての調査を行い、取りまとめることが出来ました。地元コンサルタントとしての役割と重要性を改めて認識し、今後ともご指導ご理解を賜りたくここにご報告します。
2.調査概要
当協会会員46社を対象にして「東日本大震災」における東北地方の主な被災県である、青森県・岩手県・宮城県・福島県内での被災地支援活動等について、当協会会員が行った活動に対して調査を行った。
(1)調査種別
「ボランティア活動」と「災害復旧業務」の実績及び「会員会社社屋・社員の被災状況」の調査。
「災害復旧業務」の実績については国土交通省、他省庁、県、市町村、各種外郭団体等、土地連、民間の要請に基づく業務等について収集した。
(2)調査対象期間
平成23年3月11日から平成23年6月30日まで
3.調査結果
(1)「ボランティア活動」参加・支援
種別 | 延べ人数 |
---|---|
1.被災者の救出、避難誘導 | 5人 |
2.炊き出し | 36人 |
3.物資仕分け | 10人 |
4.ガレキ撤去・清掃 | 860人 |
5.被災状況の確認と写真の提供 | 28人 |
6.民間からの調査依頼 | 65人 |
総延べ人数 | 1,004人 |
物資等支援(食料、飲料水、物資、衣服等) | 29件(460箱)ほか |
地域団体への参加・連携 (NPO、消防団、青年会議所等) |
延140人 |
震災後の経過 | 活動人員 |
---|---|
震災後1か月以内 | 930人 |
震災後2か月以内 | 54人 |
震災後3か月以内 | 10人 |
6月12日~6月30日 | 10人 |
計 | 1,004人 |
(2) 「災害復旧業務」対応
要請機関別対応総延べ人数 | 延48,233人 |
件数合計300件(機関別内訳) | 国関係25%、県32%、市町村27%ほか |
実施場所(県別内訳) | 宮城県45%、岩手県28%、福島県22%、青森県5% |
業務種別内訳 | 測量調査設計約50%、現地調査(痕跡含む)19%、測量15%ほか |
工種別内訳 | 道路・法面43%、河川関連が25%、港湾10%ほか |
震災後の経過 | 活動人員 |
---|---|
震災後1か月以内 | 18,383人 |
震災後2か月以内 | 21,499人 |
震災後3か月以内 | 5,644人 |
6月12日~6月30日 | 2,707人 |
計 | 48,233人 |
4.まとめ
「ボランティア活動」については、行方不明者の救出、避難住民への炊き出し、住宅地と道路からのガレキ撤去、清掃などの作業を地元企業として地域住民と共に活動しております。
「災害復旧業務」については、大震災発生の対応として、国土交通省東北地方整備局との災害協定に基づき震災直後に事務所並びに本省からの要請をうけ、当協会山形県支部会員による東西連絡網路線の道路啓開に伴う現地調査を始め、津波被災の状況痕跡調査、堤防亀裂等災害復旧工事に伴う査定のための資料作りなど、当協会会員が迅速に対応し地域防災力の大きな役割を担ったものと思われます。
特に現地調査や痕跡調査においては、大震災発生時の初動対応として、「調査資料はその後の対策に活用する貴重な基礎資料であり、地元コンサルならではの活動として評価する」とのお話を担当事務所からいただいております。
なお、本調査は、大震災発生から6月30日までの期間の調査であり、その後も継続し各種活動が実施されていることから、調査期間が延びるほど対象件数や延べ参加人数は増加すると思われます。
また、会員会社社屋・社員の被災状況については自社社屋の被災17棟、当協会所属社員家屋の被害は237戸であった。