測量設計の仕事「建設コンサルタント」とは?
私たちが毎日利用している道路や鉄道、図書館や学校・公園などの公共施設、水道など、私たちの生活に欠かせない施設を社会資本施設と呼ばれています。
社会資本施設には、堤防・河川・港湾・空港の他、病院なども含まれます。
測量設計の仕事は、「調査・測量・計画・設計等」の知識や技術で社会資本設備を整備するためのコンサルティングサービスを行う仕事です。
社会資本施設整備(公共事業)の役割―3区分―
測量設計の仕事について
社会資本整備(公共事業)の流れと建設コンサルタントの役割
私たちの身近にある道路や川、港湾、図書館や学校などの公共施設は、公共事業といって私たちが納めた税金などで作られています。公共事業は、役所などの行政機関が事業の決定や予算化を行い、事業計画に基づき、その計画が計画通りに、安全に、環境に優しく実行できるかのかを、調査・設計を行っていきます。測量設計の仕事は、計画前から計画後、作られた後の維持管理まで幅広く関わる大切なお仕事です。
道路設計
新しく道路を作るときや、今ある道路を作り替えたり、または維持管理のための設計を行います。
河川設計
河川の堤防や護岸、河川に付随する構造物を設計します。また河川氾濫後の被災調査なども行います。
橋梁設計
行政機関などから示された計画や諸元をもとに、経済的かつ合理的な橋梁の詳細構造を設計します。
保全業務
人に例えると橋や道路、堤防などの健康診断を行い、悪いところがあれば、精密検査や修繕設計を行います。
環境調査
例えば、新しい道路やダムなどを作る前にその場所の自然環境に対してどのような影響があるかを調査を行います。
3次元点群データ計測
レーダースキャナーなどを用いて、移動しながら道路や周辺状況をデータ収集を行います。
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)にGNSSとカメラやレーザースキャナーなどの機器を搭載し、空中から画像や3次元位置情報を取得します。
MMS(モービル・マッピング・システム)
車輌にGNSSアンテナ、レーザースキャナー、カメラなどの機器を搭載し、走行しながら道路周辺の3次元位置情報を取得します。
災害対応
災害発生時には、災害協定に基づいて被災箇所や規模を把握し、復旧の必要な箇所の現地測量や対策検討設計などを迅速に行います。
測量設計の仕事を目指すには
測量設計の仕事は、現場で測量機器を使って測量する仕事や、コンピュータで図面を書く仕事、ドローンなどを使って調査をする仕事など、とても多岐にわたります。
みなさんが最も目にする「測量」の仕事に携わる「測量士」を目指すにはどうすればよいか説明したいと思います。
測量士とは?
測量士の仕事は、多様な機器を用いて測量を行うのが仕事です。測量を終えた後は、観測したデータをもとにソフトを用いて図面作成を行います。測量に携わる際に必要な資格は、「測量士」と「測量士補」という資格があり国家資格です。
「測量士」になるには?
測量士になるには、いくつかのルートがあります。「測量士」「測量士補」の資格は国家資格ですが、受験資格には学歴や経験は必要なく誰でも受験することができます。しかし、多様な測量方法や技術、機器などを覚える必要があり、受験ができても、合格までのハードルが高いのが実情です。
おすすめは、測量や土木に関する養成校(専門学校や大学・短大、技術養成校)などに入学し、専門知識や技術を習得後、測量士や測量士補の資格を取得する方法をおすすめします。養成校によっては、卒業と同時に「測量士補」を付与してくれる学校もありますので、お近くの学校を調べてみるのもよいでしょう。
測量設計の未来
土木や建設の仕事(公共事業等)は、継続的に行われています。測量士は、こうした仕事に欠かすことのできない役割を担っています。さらに、自然災害などの復興現場においても、測量士は重要な仕事を担っています。
また、建設会社や測量会社は、1名以上の測量士有資格者をおかなければならないと定められており、求人も活発に行われています。
ドローンやGPSを使用した最新の測量技術の導入で、まだまだ若い技術者が必要とされています。